6 御伝鈔 下巻 第二段「稲田興法」 意訳

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御伝鈔 意訳 下巻 第二段「稲田興法」

『親鸞聖人伝絵-御伝鈔に学ぶ-』東本願寺出版部より 


 親鸞さま は、越後の国を あと に して、常陸(ひたち)の国へ移り、笠間(かさま)の郡(こおり) 稲田(いなだ)の郷(ごう)というところ に 住まわれること に なりました。人里離れた山の中に 移り住んだ の ですが、坊さん で あろうと、俗人 で あろう と、そんなことに 関係なく そこへ訪ねる人は 多く、粗末な わらぶきの家に、身分の高い人 も、名もなき人々 も 続々と 集まってくるのでした。
 南無阿弥陀仏の教えを みんなのもの に、という仏の願いは、ここに ようやく 花開き、だれでも 歩める 浄土への道 は、やっと ここに 民衆の生活の中に 根をおろすこと に なりました。
 このとき 親鸞さま は、
「救世(くせ)観音(かんのん)の夢の お告げ が、いま、やっと 私の生活に 現れて きましたよ」と、おおせられました。