7 四帖目九通「疫癘」 意訳(お東)

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第四帖 第九通 意訳「壁にぶつかったときこそ」

『 御文さま 真宗の家庭学習 』東本願寺出版部 より


 近ごろ特に伝染病で亡くなる人が多い。だが本当は伝染病が原因で死ぬのではなく、生まれたときから決まっている寿命のご縁が切れたのだ。そんなに驚くことではないのだ。だが世間の人々は目の前で亡くなっていく人を見ると、どうしてこんな病で生きる羽目になったのだろうかと思う。これももっともなことである。だからこそ阿弥陀如来の教えは、「仏教がわからなくなっているこの時代に生きるダメ人間は、この世ではどうにもならない運命を背負っている人でも、ただ一筋に目覚めた私の明るい眼で生活しなさい。必ず意味のある人生が開けますよ」と呼びかけられている。こういう希望の持てない時期に遭遇した者は、いよいよ阿弥陀如来の恵みで明るい世界に向かおうと願い、阿弥陀如来の素晴らしい眼の働きを疑う心を少しでも持つべきではない。こういうことがわかったら、もう朝から晩まで称える南無阿弥陀仏は、こんな素晴らしい人生に私を導いてくださった明るい眼に有り難うと感謝する言葉にほかならない。これを目覚めた人への報謝の念仏と呼ぶのだ。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。延徳四年六月