第一帖 三通 意訳「猟(りょう)すなどり章(しょう)の大意(たいい)」
『 御文章ひらがな版・拝読のために 』本願寺出版社 より
()の中は、吉江の加筆
浄土真宗の信心についていえば、ことさらに(特に) 自分の悪い心を止(とど)めよ とも、また迷いのとらわれの心が起こるのを止(とど)めよ ともいうわけではありません。どのような仕事をして暮らしを立てていようとも、そのような日暮らしをしている取り柄のない私たちを救おう とお誓いになった阿弥陀如来の本願である と深く信じて、一心にみ仏の本願におまかせする信心 が まことなら、かならず阿弥陀如来のお救いにあずかることができるのです。
そのうえで、どのように思って念仏するのか といえば、浄土に往生するのは 信心のはたらき によるのだから、その信心をめぐまれたご恩を報じるためと思って、命のあるかぎり念仏すべきです。このような人を、浄土真宗の信心を決定(けつじょう)した人というのです。